男性にとって薄毛や抜け毛に見舞われることは精神的にもとても辛いもので、仕事やプライベートで人と会う機会が多い人にとっては相手の目線が気になったり、あるいは交流や商談の面でもどこか引っ込み思案になったりしてしまうなど、多くの支障をきたしてしまうことがあります。外見の大きな変容に伴うそういったジレンマに苛まれないためにも、症状を発症した時には出来るだけ早期の段階で適切な対処を行うことによって悪化を防ぐことが可能となり、特に男性ホルモンの過剰な働きが大きく関わってくるAGAという病気に関しては医師の診察などを経てそれぞれの体質にあった治療を展開していくことが必要です。
このAGAの仕組みは、まずテストステロンと呼ばれる精巣で作り出された男性ホルモンが頭皮付近にある5αリダクターゼという酵素と出会い互いに反応し合うことによってDHTという物質が作り出され、これが頭髪の毛乳頭にて感知されると髪の成長サイクルが大きく狂い始めて、健康的な成長期にある状態であっても既に成長を終えて後は抜け落ちるだけの状態にあると誤解して一気にその準備へと入ってしまうことによって薄毛が拡大していくことになるものです。この病気にかかると特に頭頂部や額の両サイドといった部位に症状が現れやすく、あるいはその両方から症状が拡大していって繋がってしまう傾向も充分考えられます。
こういった症状に関してたまに聞かれるのが、薄毛の原因としてタバコ・酒の過剰な摂取などにも関連性があるという意見で、その他にも睡眠不足や頭皮の衛生状態、仕事やプライベートでの人間関係のストレスなどのこの手の生活習慣に関する因果関係の指摘は数多く存在します。確かにタバコ・酒などを過剰摂取するとニコチンやアルコールの作用によって頭皮の毛細血管の血管収縮を引き起こしてしまうなどの健康上の問題点が引き起こされるケースもあります。もちろん、これらの使用によってストレスが解消されるという効果もあるでしょうが、度が過ぎると害の方が多くなってしまうもの。こうなると、毛髪の根本にある毛乳頭に対して頭髪の成長に必要な栄養分を血液を介して充分に供給することが困難となり、健康的な髪が生えにくくなるという自体に陥ってしまいます。これらは薄毛や抜け毛に関する間接要因にはなりうるものですが、しかしながらこれがAGAを引き起こす原因であるという主張は都市伝説の域を出ないものと断言できるでしょう。
AGAとはあくまで男性ホルモンと5αリダクターゼの反応によってDHTが発生することによって生じる頭髪への影響を意味するものであり、それ以外の生活習慣による薄毛症状との因果関係は認められておらず、これらは治療と生活指導という全く別々のものとして取り扱うべき課題であると言われています。
そのため、タバコ・酒などを控えたとしても男性ホルモンや5αリダクターゼに影響を及ぼすようなことは一切なく、もちろん頭髪に影響を与えて成長サイクルを狂わせるDHTの分泌量も変わらないもの。もしもAGAをきちんと治療するのであれば、まずはフィナステリドという成分を配合したプロペシアなどの飲み薬を服用することで5αリダクターゼの2型の働きを抑えると、次第にテストステロンと反応してDHTが分泌される頻度も抑制されるようになっていきます。こうやって髪の成長サイクルを正常化すると同時に、さらにミノキシジルなどの外用薬を用いて頭皮の毛細血管を拡張させると、それを介して栄養分が補給される分量も拡大してこれまで不足しがちだった頭髪の成長に欠かせない物質もきちんと補充できるようになるわけで、こうして二種類の薬がうまく歯車となって効果を発揮していくことで薄毛や抜け毛を解消する上でも大きな成果を残してくれるはずです。